4KテレビにおけるYCbCr 4:2:0 HDMI 1.4入力(4k60p)の画質

探しても情報が出てこないので、エントリーを作成することにした。
PCにおいて4K解像度(3840x2160)を出力する場合、多くの場合はDisplayPortで接続することになるが、DP入力端子を備えるディスプレイは基本的にはPC用のみで、4Kテレビにおいては用意されないことが多い。PanasonicVIERA AX800くらいしか知らない。従って4Kテレビに対してPCからの4K信号を入力させる場合、HDMI 2.0を利用せざるを得ない。ところが、GeForce/RADEON/Intel Irisの主要GPUHDMI 2.0をサポートしているのは、GeForce GTX 960などの3万円以上するハイエンドGPUのみで、その他のGPUHDMI 1.4までの対応にとどまる。そして、それが挿せればまだ良いが、自分のようにLow Profile専用ケースを利用している場合は、60Hz表示を望むと現時点でまともな接続をすることが不可能となる。
そんな中、Kepler以降のGeForceでは、ドライバーの機能によってHDMI 1.4接続で、4K60p接続ができるという。その仕組みについては様々なページで解説がされているため、本エントリーでは言及しない。以下に4K60pを絶対条件とした場合の表を記載する。

接続方法 リンク速度 表示可能な解像度 備考
DisplayPort 1.2 21.6Gbps 4K 60Hz テレビ側がほぼ対応しない
HDMI 2.0 18Gbps 4K 60Hz GTX 960以上のみ
HDMI 1.4 10.2Gbps 4K 60Hz Kepler以降の特殊モード

Kepler以降のGeForceにおいて、HDMI 1.4接続時は、10.2Gbpsの速度内で4K60pの信号を送信する方法として、RGB 8bitではなく、YCbCr 4:2:0で送信する。この方法だと色情報が間引かれるため、偽色が出やすくなる。というのが仕組みから分かる話。では、実利用においてどの程度のクオリティになるのか、つまり通常利用に耐えられる画質であるのかというところを、以下に写真付きでまとめる。条件は次の通り。

GPU GeForce GTX 750 Ti(Maxwell)
ドライバー NVIDIA Driver Version 353.06
テレビ 東芝 REGZA 49J10X
WindowsのDPI設定 150%
接続方法 HDMI 1.4 YCbCr 4:2:0 3840x2160 60Hz
2ch液晶テレビをPCモニタとして使うスレ」に落ちてたテンプレ[http
//pc.usy.jp/wiki/233.html:title=→外部リンク]。色差が小さいところは、想定通り文字が滲む。これがどのように影響するかを確認する。:https://dl.dropboxusercontent.com/u/11139747/diary_img/IMG_20150623_183718.jpg
背景色があり、文字に色がある、[http
//northwood.blog60.fc2.com/:title=北森瓦版]の文字。:https://dl.dropboxusercontent.com/u/11139747/diary_img/IMG_20150623_184002.jpg
同じく背景色があり、文字に色がある、[http
//blog.livedoor.jp/dqnplus/:title=痛いニュース]の文字。:https://dl.dropboxusercontent.com/u/11139747/diary_img/20150623_184536.jpg
背景色がある、NVIDIA Display Driverのボタン。
https://dl.dropboxusercontent.com/u/11139747/diary_img/20150623_184131.jpg
文字幅が1pxの文字。白地に黒だからあまり参考にならないかな?
https://dl.dropboxusercontent.com/u/11139747/diary_img/IMG_20150623_183854.jpg
Chromeの文字。その「他」のブックマークが、若干青みがかってるが、ClearTypeによる問題なのか、YCbCr色差信号のせいなのかよくわからない。
https://dl.dropboxusercontent.com/u/11139747/diary_img/IMG_20150623_184259.jpg
いま編集中の画面。少し偽色がある。
https://dl.dropboxusercontent.com/u/11139747/diary_img/IMG_20150623_194400.jpg

上記を見てどう感じるかは人それぞれだが、自分としては常用可能なレベルであると感じた。1px単位での確認が必要な場合は利用できないかもしれないが、個人の感想として、この程度なら以下の2点から許容範囲である。

  1. 49インチのテレビの場合、1.5m程度は離れて利用することになる。その際に1pxの線を確認することはほとんどない。high dpi設定にもするため、小さいピクセルはまず確認しないし、画面上に出てくることもほとんどない。上記の写真も原寸で見れば色が変になっていることを確認できるが、1.5m離れると何も気にならない。見えない。
  2. そもそも文字の欠落が発生するようなケバい配色のページの場合は、RGB 8bitだって読みたくないレベル。そんなページはほぼないし、あっても糞情報しかないし、最悪bookmarkletや、文字列の選択でなんとかなる。

ただ、欠落なしの状態で表示できることが望ましいことに疑いはない。DisplayPort→HDMI 2.0の変換アダプターが出れば万事解決なので、心待ちにしたい。

追記

YUVじゃなくてYCbCrのほうが表現が適切な気がしたので修正した。だってテレビの入力信号にYUVって書いてあるんだもん…